【中本パックス】2022年度第一四半期決算発表
2022年7月11日に、中本パックスが2022年度第一四半期決算を発表しました。
結論から言いますと想定よりやや良いくらいの決算内容でした。
それでは早速決算内容を確認したいと思います。
※因みに中本パックスは、期末決算以外は決算説明会資料を公表しません。
上記だけを見ると、営業利益が前年比1割以上減で悪い決算内容に見えます。
しかし、過去7年間の1Qを見てみると、営業利益率はそこまで悪いわけではありません。
1Q単体 | |||||
売上 | 営利 | 営利率 | 売上進捗率 | 営利進捗率 | |
2016 | 7,944 | 448 | 5.6% | 25.2% | 34.2% |
2017 | 8,059 | 343 | 4.3% | 24.4% | 25.8% |
2018 | 8,520 | 439 | 5.2% | 25.1% | 26.7% |
2019 | 8,616 | 426 | 4.9% | 25.3% | 27.8% |
2020 | 8,407 | 357 | 4.2% | 23.3% | 20.8% |
2021 | 9,973 | 705 | 7.1% | 25.2% | 28.2% |
2022 | 10,882 | 603 | 5.5% | 25.6% | 23.7% |
平均 | 8,914 | 474 | 5.3% | 24.9% | 26.7% |
また1Qのコンセンサス営業利益は5億円でしたので、実績はそれを約2割上回りました。株価は会社予測よりコンセンサス予測に影響されやすいので、これは良い結果だと思います。
では、なぜ前期と比べ利益が下がってしまったのか詳細を確認していきます。
結論から言うと、主な理由は以下の2つです。
①電力や原料の値上がり
②中国ロックダウンで生産効率低下
売上 | 前年比 | 売上総利益 | 前年比 | 粗利率 | |
食品関連 | 6,977 | 7.20% | 769 | -6.0% | 11.0% |
IT・工業材関連 | 1676 | 23.30% | 464 | 14.7% | 27.7% |
生活資材関連 | 1026 | 2.70% | 288 | -14.1% | 28.1% |
建材関連 | 522 | 6.90% | 74 | -4.5% | 14.2% |
医療・医薬関連 | 339 | 1.70% | 82 | 17.9% | 24.2% |
【食品関連】
利益については、電力・燃料費の高騰やインキ・溶剤の値上がりなどにより製造コストが上昇
【IT・工業材関連】
半導体不足や中国のロックダウンで一部関連商材は減少したが、各種加工フィルムはスマートフォン端末 、電子部品パッケージ材料向けで堅調に推移、EC関連資材や製造業向け重袋は増加。また、次世代電池や再生エネルギー関係向け部材などの試作も増加
【生活資材関連】
主要な製造拠点である中国での北京オリンピック開催や新型コロナウイルス感染症によるロックダウンな どにより、操業規制や物流停滞といった影響を受けて生産効率が悪化し粗利が低下
【建材関連】
資材不足による原料高や比較的色数の少ない印刷製品が多かったこ とにより利益率は低下
【医療・医薬関連】
輸液関係包材が堅調に推移、貼付剤関連も比較的高価格帯の貼付剤向けに加えジェネリック向けでも安定した受注
主力の食品関連はますます儲からない事業になっている一方、利益率の高いIT・工業材関連が中国ロックダウンや半導体不足の影響があったにも関わらず、伸びが著しいのが心強いです。
中本パックスの理論株価
yahooファイナンスでは、個人投資家はっしゃん式の理論株価が掲載されていました。
理論株価:3390
株価:1590
上昇余地:113.2%
株価水準:割安
更新日:2022/07/11
○理論株価の詳細
資産価値:1273
事業価値:2117
市場リスク:0
理論株価 = (資産価値 + 事業価値) ― 市場リスク(%)
市場リスク はPBR0.5倍未満を除き0%で計算
○上昇上限データ
上限株価:5506
上昇上限:246.2%
上昇上限とは割高水準までの上昇余地
○下限余地データ
資産価値:1273
下限余地:-20%
下限株価とは資産価値相当までの下落余地
どうなんでしょうね?このデータをどこまで信じれるかはよく分かってないですが、はっしゃんの理論株価(3390円)と自分の考えている妥当な株価3740円(PER20倍)はそこまで乖離していないこともあり、思考は似ているのかな?とも思います。