新株予約権発行で株価ストップ安!!
11/17に、ついに私の持ち株(ベルトラ)で悲惨な事態が発生しました。。
ストップ安となってしまいました。
と言いつつもこんな記事書ける元気があるのは、その銘柄は私のポートフォリオのたった1%を占める銘柄だったからです。本日は、銘柄全体ではプラスを維持しました。
ただこのまま泣き寝入り(?)ももったいないので、今回のストップ安の原因となった新株予約権について調べた内容を記載しておこうと思います。
新株予約権とは
今回ベルトラは以下のように2段階に分けて新株予約権を発行しました。
第一段階
引受先:クレディ・スイス証券株式会社
発行価格:1個203円(100株で1個)
行使期間:2021/12/3~2023/11/16
行使価格:618円 ※これを下回った場合、毎日前日終値の92%に修正
下限行使価格:433円
発行数:2,311,000株分
第二段階
引受先:クレディ・スイス証券株式会社
発行価格:1個80円(100株で1個)
行使期間:2022/6/2~2023/11/16
行使価格:874円 ※取締役会の決議があれば、決議日直前取引の92%に修正可能
下限行使価格:336円
発行数:995,000株分
新株予約権を図で表すと、こんな感じです。
- お金が必要なベルトラはクレディ・スイス証券株式会社に新株予約権を発行し、証券会社は企業に発行価格分の費用を支払います。今回は5,487,330円を支払いました。
- 証券会社は行使期間中であれば、好きな時に予約権を発行できます。第一段階の予約権行使価格は前日終値の92%ですので、株価が底値だと思った時点で予約権を発行します。第二段階の予約権は取締役の決議が無い限り行使価格は874円です。
- 権利発行後に株価が上がれば証券会社は権利を行使し、(権利行使価格ー権利発行価格)の差分を利益として得る事ができます。企業は、権利行使価格分の金額を得る事ができます。またもし権利発行後に株価が下がると証券会社は権利を行使しないので発行価格(548.7万円)を損し、企業は1円もお金を得る事ができません。
新株予約権のメリット
企業にとって新株予約権のメリットは、2つあります。
- 第三者割当増資等の増資では、株購入を引き受けてくれる企業を探す必要があります。知名度が低い企業や、経営的に問題がある企業の場合、引き受けた株が大きく値下がる事を恐れ購入希望企業を探すのに難航します。それに比べ新株予約権は発行価格が前日終値からディスカウントした価格で行使できるし、行使しなくても僅かな発行価格を諦めれば良いだけなので引き受け手側に比較的リスクが少なく、探しやすいです。
- 公募増資では一度に増資が行われるため株価が一時的に急落する可能性が高いです。新株予約権の場合は権利行使期間中に数度に渡り行使されるので、分散効果で株価の急落は起こりにくいです。
新株予約権のデメリット
もちろん新株予約権はメリットばかりではありません。
- 公募増資の場合、増資を引き受けてくれる企業が権利行使価格で確実に資金を支払ってくれます。それに比べ新株予約権の場合、権利発行後株価が下がれば権利が行使されず資金が調達できない恐れがあります。
- 公募増資の場合、発表時には権利発行価格が決まっています。しかし新株予約権の場合、今回のように「毎日、権利発行価格は前日終値の92%に修正される」等の条項が付くので株価が下落すればそれだけ権利発行価格が安くなってしまいます。そうなると増資により株が希薄化したのに企業には少ししか資金が入ってこず、それが株価低迷の原因となってしまいます。
新株予約権発行を見抜くことができたか
ベルトラへの出資額が僅かだったこともあり、ベルトラの詳細な分析は実施していませんした。では、ベルトラの詳細な分析を実施したとして、新株予約発行を見抜けたかと言うと、今の私の実力では見抜けなかったです。その理由を以下に記載します。
①ベルトラのB/S(財務状況は)そこまで悪くなかった(ように見えた)
現金が13.7億もあり流動比率は200%を超えており、自己資本比率も63.6%と高水準で、一般的には「財務良好」と判断されるのではないかと思います。
②P/Lも問題なかった(ように見えた)
緊急事態宣言が発令されたにも関わらず、営業損失は期毎に確実に減っています。この調子なら、緊急事態宣言が解除される今後は早い時期に四半期決算が黒字になる希望が出てきたと思います。
③外部環境は好転している
ワクチン効果からか、日本のコロナ患者発生数は激減しています。それもあり来年GoToTravel再開も計画されており、これはベルトラに大きな追い風となると思います。海外はコロナ感染者が急増していますが、重症者、死傷者は低く抑えられていることも有、近い将来国境間を自由に行き来できるようになると考えています。
ただ今回強く学んだのは、「継続企業の前提に重要な疑義が生じている企業の株は危険」と言う事です。今後は少額ともいえども疑義注記のある企業には投資しない方針としたいと思います。