【ストライク】2021年度第3四半期決算発表
6/30に、ストライクが第三四半期決算を発表しました。
決算発表後の株価の下落は、悲惨でした。。
6/30の終値4,430円から翌日(7/1)は4,030円まで急落、翌々日(7/2)は3,930円(-8.87%)の安値を一時付けました。私はストライク株を2,400株持っているので、2日で最大120万円も下落した計算になります。株って怖いですね。只7/2の終値は4,160円まで戻しました。
決算内容を見てみましょう。
PL結果
うーん。。
売上は前年同期を上回っていますが、営業利益、経常利益共に4%超下げていますね。一見まずい決算に見えます。
PLの詳細確認
掘り下げて見てみましょう。
業績の理由について、以下のように書かれています。
「売上原価は前年同期比で21.9%増の2,073百万円、人件費が増加し原価率は上昇~」
減収の一番の原因は人件費のようです。昨年より3.21億円も増えています。もし今年人件費が増加していなければ、営業利益23.57億円で前期比10%増となります。人件費を増やさなければ、株価は急騰してたかもしれません。なぜ人件費が増えてしまったのでしょうか。
当初はコンサルタントは今期末131人体制で行く予定でした。しかし思いのほか採用が順調に行ってしまい、今時点で148人体制になってしまいました。今期はあと4か月あるので、今期末160人体制位行ってしまうかもしれません。しかも今期沢山採用できた分来期は採用抑制するのかと思ったら、将来の増員ベースを引き上げる見込みとのことです。これでは人件費増えちゃいますよね。。
有価証券報告書を見てみますと、以下の記載があります。
この会社の給料高すぎです。コンサルタントの給与平均は1500万円超えていると思います。有証には「なお、採用したコンサルタントについては、入社後1年間は収益貢献がほぼなく、2年目で1~2組の案件成約、3年目で2~3組の案件成約というように経験とともに成約数が増加することが一般的であります」との記載もありました。ストライクの昨年同期のコンサル数は111人で今は148人。33%の社員が収益貢献がほぼ無い事になります。実際には直近でストライクを辞めたコンサルもいると思われるので、それを加味したら収益貢献の無いコンサルは40%近く要る可能性があります。収益貢献のほぼない高給取り社員が大量にいたら、そりゃ利益も減りますよね。。
では、なぜここまで採用を増やしているのでしょうか。
これについてシェアードリサーチ社が興味深いレポートを出しています。
ストライクの再来期の強気予想、弱気予想を公表しています。ここで興味深いのは、強気、弱気を判断する唯一の基準が「コンサルタント数」となっている事です。M&A業界で成長するには、「いかにコンサルタント数を確保するか」が最重要課題だと言う事が分かります。そうであれば、ここは業界1位に圧倒的に引き離された業界第3位に位置しながらもコンサルタントがどんどん集まってきている魅力的な会社であり、将来性豊かな企業である、と自分は判断しました。
「とはいえ、成長企業が前年同期比減益はまずいでしょ?」と思う方がいるかもしれません。では、前年度期末短信をもう一度見てみましょう。
当社は2021年6月で上場から5年を迎えます。今後の更なる成長のため、次期は積極的な投資を計画しております。WEBセミナー等の営業活動の強化やコンサルタントの積極採用を行うとともに、将来の人員増加への対応を図るために本社移転を計画しており、移転費用等の一時的な費用の増加を想定しております。そこで、次期の業績予想としましては、売上高8,368百万円、営業利益3,081百万円、経常利益3,083百万円、当期純利益2,069百万円を見込んでおります。
今期はコロナの影響をもろに受けている事もありますが、元々今期は積極的な投資で利益が微増である事が明言されていました。今期は変則決算で第4四半期が4か月あるので、自分としては会社の業績見込みは達成できるのではと考えています。会社の考えはどうなのでしょうか?
決算説明資料に、以下の記載があります。
「決算期変更により、残り4ヶ月で本決算となる。期間が1ヶ月伸長することでの成約数の増加に加え、大型案件の成約も複数見込まれていることから、売上高は当初計画以上を達成できる見通しである。利益についても、今後、計画外の多額な費用の発生が見込まれておらず、当初計画以上を達成できる見通しである。」
”当初計画以上を達成できる見込み”の書きっぷりより、かなり業績に自信があると判断しました。因みにあまり業績に自信が無い場合「現時点において業績予想に修正はございません。」のように、”現時点においては(そうだけど、明日以降は修正しちゃうかもしれないよ)”等の逃げの枕詞を記載したりします。
これらより「ストライクは今期会社売上収益見込を少し超過し、来期以降成長速度が再加速する」と判断し、ストライク株の長期保有方針は変更せずとします。