時価総額の大きな企業は、株価も安定しているのか
私は主に小型成長株に投資していますが、「業績の良い大企業に投資した方が安定した利益を得られる」と考えて投資している人もいると思います。
そこで今回、超大型株を長期間保有していたらどの程度利益が得られたかを分析してみることにしました。
分析方法は10年前、20年前と現在の時価総額TOP20企業を比較し、日経平均の増加率と比べてどうだったかを考察すると言うものです。
では、早速見てみましょう。
2022年8月19日時点の時価総額TOP20企業(日経平均28,930円)
順位 | 銘柄 | 時価総額 | 10年前と比較 |
1 | トヨタ自動車 | 35,077,223 | 209.3% |
2 | ソニーグループ | 15,132,981 | 910.7% |
3 | キーエンス | 13,867,702 | 796.6% |
4 | 日本電信電話 | 13,622,390 | 250.8% |
5 | ソフトバンクグループ | 9,931,105 | 191.9% |
6 | KDDI | 9,677,554 | 278.8% |
7 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 9,669,292 | 122.4% |
8 | ファーストリテイリング | 9,074,601 | 279.1% |
9 | リクルートホールディングス | 8,335,644 | |
10 | 任天堂(株) | 7,780,452 | 543.2% |
11 | 第一三共 | 7,719,990 | |
12 | オリエンタルランド | 7,521,113 | |
13 | ダイキン工業 | 7,487,596 | |
14 | 東京エレクトロン | 7,326,028 | |
15 | ソフトバンク | 7,321,939 | |
16 | 信越化学工業 | 7,212,433 | 267.1% |
17 | 日立製作所 | 6,814,872 | 259.7% |
18 | ホンダ | 6,725,834 | 104.4% |
19 | 三菱商事 | 6,483,697 | 225.0% |
20 | 中外製薬 | 6,380,419 |
当たり前ですが、よく名の知られた大企業が連なっています。ソニー、キーエンスを筆頭に10年前より何倍も株価が上昇している企業が幾つも有ります。「10年前と比較」は2012年3月9日との比較で、数値の記載の無い企業は10年前にはTOP50にすらなっていない企業でした。恐らくこの10年間で何倍にも株価が上がっていると思います。比較的新しい企業としてソフトバンクがありますが、それ以外の企業は社歴が長いものばかりです。
10年前の日経平均は10,115万円でUP率は286%でしたが、上記に記載した企業はざっくりみて日経平均のUP率よりかなり値上がりしていそうです。ただこれは後付けの理論で、あまり意味がありません。10年前に、上記の企業が時価総額TOP10になるとは予想できないので。
2012年3月29日時点の時価総額TOP20企業(日経平均10,115円)
順位 | 銘柄 | 時価総額 | 10年後と比較 |
1 | トヨタ自動車 | 16,757,268 | 209.3% |
2 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 7,900,491 | 122.4% |
3 | ホンダ | 6,439,628 | 104.4% |
4 | NTTドコモ | 6,202,655 | |
5 | JT | 6,000,000 | 78.9% |
6 | 日本電信電話 | 5,431,725 | 250.8% |
7 | 三井住友フィナンシャルグループ | 5,338,060 | 107.9% |
8 | ソフトバンク | 5,174,506 | 191.9% |
9 | みずほフィナンシャルグループ | 4,803,392 | 83.3% |
10 | キャノン | 4,534,796 | 103.0% |
11 | 日産自動車 | 4,091,247 | 55.3% |
12 | 武田薬品工業 | 3,972,020 | 152.0% |
13 | 三菱地所 | 3,609,471 | 73.7% |
14 | デンソー | 3,523,014 | 177.3% |
15 | KDDI | 3,471,249 | 278.8% |
16 | ファナック | 3,470,476 | 140.0% |
17 | ファーストリテイリング | 3,251,158 | 279.1% |
18 | 東日本旅客鉄道 | 3,057,120 | 86.2% |
19 | 三菱商事 | 2,882,061 | 225.0% |
20 | セブン&アイホールディングス | 2,761,267 | 180.8% |
アベノミクスが始まるころです。JT,みずほ、三菱地所等この10年間で逆に株価が下がっている企業もありますが、平均では159%UPなので一見パフォーマンスは良さそうに見えます。唯、これはあくまで「一見」です。
先ほど記載しましたように、10年後には日経平均は286%上がっています。それに比べると、上記大型株のパフォーマンスはかなり悪いと言えるかと思います。
2000年2月29日時点の時価総額TOP20企業(日経平均19,960円)
順位 | 銘柄 | 時価総額 | 20年後と比較 |
1 | NTTドコモ | 42,421,700 | |
2 | NTT | 24,111,800 | 56.5% |
3 | ソフトバンクG | 17,435,400 | 57.0% |
4 | トヨタ | 16,509,300 | 212.5% |
5 | ソニー | 13,421,600 | 112.8% |
6 | セブンイレブン | 9,211,800 | 54.2% |
7 | 日本オラクル | 7,541,400 | 14.6% |
8 | 富士通 | 7,075,600 | 49.7% |
9 | パナソニック | 6,599,900 | 42.5% |
10 | 東京三菱 | 6,288,500 | |
11 | 光通信 | 6,196,200 | 13.0% |
12 | 野村證券 | 6,085,200 | 27.1% |
13 | NTTデータ | 5,582,000 | 52.4% |
14 | 武田薬品工業 | 5,513,500 | 109.5% |
15 | 村田製作所 | 5,024,400 | 106.5% |
16 | 日立製作所 | 5,003,500 | 136.2% |
17 | ローム | 4,200,100 | 26.7% |
18 | ヤフー | 4,200,000 | 78.0% |
19 | 住友銀行 | 4,074,000 | |
20 | NEC | 3,996,900 | 33.9% |
更に遡って、ITバブル真っ盛りの頃の株価を見てみましょう。時価総額上位にはIT企業がずらっと並んでいます。この後日経平均はITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショック等をまともに食らいながらも株価は20年間で144.9%UPしています。しかしもし20年前に時価総額TOP20銘柄を持っていたら、資産は元値の69.6%とかなり減らしていたところでした。
結論
これだけの分析で結論と言うには語弊がありそうですが敢えて言えば「下手な事考えるより、日経平均連動INDEXを買っておけ!」ですね。