2万5000人のリスク資産投資家調査結果&私見
おはようございます。
今日は、日経新聞の「教えて!高井さん」で公開された2万5000人の株投資家調査結果を、私見を交えながら解説しようと思います。
動画の対象期間は2020年4月~2021年3月です。2021年3月末の株価は29,000円、本日(8/22)の日経平均27,013円よりだいぶ高値の頃でした。今調査していたら、もっと悪い結果になっていそうですね。。
リスク資産で儲けているのか
皆さん、儲かっていますね。
収益トントン含めると、6,7割の人が損せず寧ろ利益が出ています。利益が出ている人が多ければ、それらが雑誌やYoutubeなで取り上げられ波及効果で株新規参入者も増えてくると思います。
コロナショックで儲けたのか
コロナショックで、6割の人が資産を増加させたようです。
資産を増やした人は、以下の2パターンに分かれると思います。
- コロナショックを機に投資を始めて、資産を増やした人
- コロナショック前から投資を始めていて、コロナショックで退場せずに資産を増やした人
億り人が1.26倍(1.9%⇒2.4%)に増えた事を考えると、2の割合は結構高いと思います。私見ですが、コロナショックは他の経済ショックと比べ回復が読みやすかったと思います。私はコロナショックで暴落した際、以下の理由で各国政府が積極的な財政出動すれば世界経済は早期に回復すると考えていました。
- 株価が最安値を付けた三月下旬には、中国のコロナはある程度収まって経済が再開しつつあった
- 致死率はそれ程高くなく、死者も高齢者や基礎疾患者に偏っていた
ウォーキング・デッド並の状態になっていたらどうしようも無いですが、コロナ位なら経済立て直せると思った投資家は、私以外にも大勢いるようです。
投資先
投資先(複数選択可)は、日本の個別株が非常に多いです。日経新聞読者に対して調査しているのが大きな要因だと考えています。日経新聞では日本のマクロ・ミクロ経済や日本企業について詳細に報道されるので、必然的に日本個別株の割合が上昇すると思います。
4連勝さん分析
以降は、2018年~2021年の全ての年で1%以上利益を得ていた人の実態調査を実施します。個人的には、5%以上の利益の人を勝者として欲しかったです。1%増で勝ちとは言えないと思うので。
4連勝さんプロファイル
投資歴10年以上の方が多いようです。投資で勝つためには本で得られる知識だけでなく、実際に投資して得られる知識、精神力が非常に重要だと思うので納得です。
金融資産4桁が標準スタイルのようですが、これも納得です。投資で本当に成功したいと思うなら、まとまった額を投資する必要があると思っています。因みに自分が考えるまとまった額とは「自分の持っている資産の中で何%を投資するか」です。
世の中には、「無くなっても良いお金で投資すべき」を勧める人が大勢います。その考え方は否定しませんが、それだと投資力は身につかないと思います。それに比べ例えば資産のほぼ全てを投資する人は、政治経済の動きに非常に敏感になりますし、自分の投資手法を向上させるために切磋琢磨します。毎日毎日、背水の陣に自分を追い込み脳みそフル回転させえているので、投資力は一気に上がると思います。とは言え失敗したら悲惨な状態に陥るので、これもあまりお勧めはしませんが。
株は実力が無くても運で一定期間勝つこともあります。自分は未だに、これまで実力で利益出しているのか、単なる強運なのかの判断がついてないです。ただ言える事は、一般の投資家に比べかなり勉強してます。
4連勝さんの投資スタイル
これ見てがっかりしました。。債権、投信、ETFの比率が多すぎです。これらに投資するには、投資の知識はあまり必要ないです。基礎的な事を勉強したら、後は何も考えず愚直に積み立てれば良いです。金融資産がある程度になると、人は保守的になるのかな?とも思いました。
平均保有期間
これ見ると、長期投資家が多いように思います。ただこのデータはあまりあてにならないなと思いました。投資家の多くは債権、投信、ETF投資家のようですが、債券は長期保有前提だし、投信、ETFの構成銘柄は短期で変動しているので、これを長期持っているから長期投資家とは言えません。個別株投資に限って調査して欲しかったです。
投資の勉強時間
全般的に4連勝さんの方が勉強している時間が多いですね。只、投資家の中には勉強時間をあまり必要としない債権、投信、ETF投資家も含まれているのでそこまで信用できるデータでは無いと思っています。
個別銘柄投資家に絞って4連勝さん、4連敗さんを比較したら恐らく勉強時間は圧倒的に開くと思ってます。
またこれを見ると、週7時間以上勉強している人の半分くらいが4連敗してるので「勉強する意味無いじゃん」とミスリードされそうです。この動画で述べられていましたが、恐らく沢山勉強しても負けている人は基礎的な知識が無く、怪しいYoutuber投資家を見たり怪しい投資雑誌を見る時間を投資時間にカウントしているのでは、と思います。
私見ですが、株式投資は知力・精神力の総合格闘技だと思っています。
銘柄に投資する前にまずは政治、経済への理解を深めたり財務諸表を読み解く力を身に着け、各種ファイナンス理論の基礎をしっかり押さえておく必要があると思います。これらをしっかり押さえていれば、書籍や雑誌、Youtuberの良し悪しを判断できるようになり、質の良い勉強ができると思います。
自分的には、まずは中小企業診断士の勉強をすることをお勧めします。株式投資とは単に株を買うのではなく、その会社のビジネスを買う行為だと思っているので。中小企業診断士の7科目(「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」)を勉強すれば、ビジネスの基礎は押さえられると思います。
SNSや動画サイトを参考にするか
SNSや動画サイトを参考にし、売買している人が結構いるようです。自分の場合、Youtube等で投資方針、投資哲学を参考にすることはありますが、勧められた銘柄を購入することは無いです。
以前一橋大学を卒業して公認会計士の資格を取った超エリートが、長期投資について5時間程語った動画がyoutubeで公開されていました。Youtubeを見て非常に感銘を受けた私はその人の投資塾(月額2000円位)に入ろうと思いましたが、念のためその人が5年前に推奨していた長期投資銘柄を確認した所、日経平均に対し著しくアンダーパフォームしてるの見てびっくりし、投資塾入塾は取りやめました。因みにこの方が投資で勝てない理由は、分析力はすごいが洞察力はそこまででも無いからだと思っています。
素晴らしい分析力で素晴らしい企業を見つけて投資しても、利益が出るとは限りません。「これは素晴らしい企業だ。ただ、周りは偉大な企業と見ているが、実際にはそうではなく株価は過大評価されている。売ろう」と言う洞察力が必要となるケースもあります。
また逆に「株で資産5億円築いた投資のプロ」みたいな実績を触れ込んでいるYoutuberの動画見て、「この人運で儲けただけ(=再現性が皆無)では?」と思った事もありました。
とは言え良い情報を発信しているYoutubeもあるので、全てを信用せず自分で取捨選択するのが大切と思います。
私は、Youtubeより書籍で勉強するほうが有用だと思います。
「株式投資 中上級 書籍」とググればまとめサイトが幾つか出ますので、書評を読んだりアマゾンで立ち読みしたりして、気に入ったものを購入すればよいと思います。
投資の初心者本は読んだことが無いので何とも言えませんが、初心者向けにある事無い事書かれてそうなイメージがあるので、だったら投資実力者によく読まれている中上級の本から入った方が良さそうな気がします。
投資成功者の性格
これは面白いです。投資はギャンブルだと言う人も多いですが、4連勝さんでギャンブルやらない人が多く、4連敗さんでギャンブル好きな人が多い結果が出てます。
個人的に??なのは4連勝さんに「計画的」が多い事です。
これは、4連勝さんの多くが積み立て投資派なのに起因しているのではと思います。積み立て投資は、景気良しあしに関係なく計画的にお金を積み立てる事が最重要です。
個別株投資家には「計画的」では無く「臨機応変な対応力+精神力」が重要な資質だと思います。個別株投資には「勝てる法則」はありません。当日の株価の値動きすら読めず、想像もしない暴騰、暴落はよくあります。事前の計画にあまり意味がありません。将来についてはある程度大雑把な目途だけ立てておいて、後はその場の状況に応じて、冷静かつ臨機応変に対応する事が必要となります。
用意した投資資金
5000万円以上投資資金用意している人は、1%に満たなさそうなのはびっくりです。富裕層はもっと投資していると思ってました。
「4連勝投資家の資産は1000万~2000万が多い」「億り人が26%増」と言う事からも、投資の世界で大きく勝てるのは一握りの人なんだと思いました。
投資は会社と違って組織のしがらみも無く、実務経験や知識で得た自分の才能(運?)が、ストレートに資産増として反映されます。誰かの合意を取る必要も無く、自分の考えた戦略をそのまま実行できます。こういうのに憧れる方は、是非投資にトライしてみてください。