狙いは、ホテル型リート?!
今回私は「総合型リート」を売却して「ホテル型リート」を購入しました。
その理由について、説明します。
総合型??ホテル型??REITの種類は6つ
REITには、大きく分けて以下の6種類があります。
- オフィスビル
- 住宅
- 商業施設
- 物流施設
- ホテル
- 総合型(①~⑤の混合型)
この中で私が今後最も伸びると思うのは、「5.ホテル」です。では、なぜ他はホテルに比べて良くないのか、私なりの見解を記載します。
1.オフィスビル
オフィスビルは、東京で2025年まで大量に供給される予定です。
しかも2027年には東京駅東口の常盤橋地区に虎ノ門・麻布台プロジェクトのメインタワーをしのぐ390メートルの高層ビルを建設する計画が建てられていることもあり、供給過多に陥りそうに思うのが、オフィスビルを外した理由です。
2.住宅
住宅は、コロナ禍でも入居率が下がらず安定した家賃収入をもたらしてきました。恐らく今後日本経済が不況になっても住宅系リートが一番影響を受けにくいのではと思います。そういった意味で全然悪くない投資先ではありますが、今後伸びていくかと考えるとそこまででも無いかなと思いました。
3.商業施設
商業施設リートは、2年前に大きく稼がせてもらいました。今後も訪日外国人増加等の要因がありで商業リートは手堅いと思います。只、現時点で商業施設にはだいぶ客が戻ってきており、ここから大きく戻るかと考えると、それ程でも無い様に思っています。
4.物流施設
ここも手堅いとは思いますが、コロナが収まった後は宅配より、店に直接買いに行く受容が増えるかもしれません。
6・総合型
物件種別にこだわらず、お得な物件をお得な時期に売買できるので総合型は有利と思い購入ましたが、実際はそうでも無いように思っています。特価型のリートの方が、コロナショックからの株価の戻りが早かったです。特化型の方が、お得な物件売買情報に早くありつけるのかもしれません。
総合型は、オフィス不況やホテル不況などに遭ってももろに悪影響を食らわないのがメリットだと思います。逆に言うとリートの何らかの型が不況になった場合、確実にダメージを食らうとも言えますが。。
ホテルリートはなぜ良いか
ホテルリートが良いと思われる理由を、以下に記載します。
1・割安だから
現在下記6つのREITが上場していますが、殆どでNAV倍率が1倍を切っています。
投資法人名 | 分配金利回り | NAV倍率 |
大江戸温泉リート投資法人 | 4.22% | 0.61 |
いちごホテルリート投資法人 | 1.84% | 0.72 |
インヴィンシブル投資法人 | 0.37% | 0.84 |
ジャパン・ホテル・リート投資法人 | 0.53% | 0.93 |
森トラスト・ホテルリート投資法人 | 3.40% | 0.94 |
星野リゾート・リート投資法人 | 2.51% | 1.18 |
※NAVとは株式投資で言うPBRと似ており、物件の時価価格総額と株の時価総額の比率です。1を切っていたら論理上は、物件を全部売却して株主に返金すれば、株主は株価以上の現金を受け取れます。
2.長期的に見て需要が高い
政府はコロナが発生しても「2025年の大阪万博までには外国人旅行客が戻り、2030年に訪日外国人6000万人を目指す」方針を変えていません。今後政府は様々な観光客誘致策を打ってくるのではと思います。
3.中期的に見ても需要が高い
上記は、星野リゾートのIRの記載です。星野リゾートも海外客のインバウンド需要の完全回復は2025年頃を見込んでいるようですが、それまでの間も日本人のアウトバウンド層の国内シフトが起こりホテル業は堅調に推移することを見込んでいます。
4・ホテル供給数が少なくなる
今後ホテル需要が見込まれているのに、供給数は激減します。ホテルは計画から建築まで何年もかかるので供給不足が顕著になっても急にホテル件数を増やす事はできません。ですので今後ホテル特需が発生する可能性があります。
どのホテルリートを選ぶべきか
では上記6物件のうち、どれを選ぶべきでしょうか。私は、以下で考えました。
1.既に株価が戻っているものは外す
森トラスト、星野リゾート、ジャパンホテルはNAV倍率が既に高くなっているため、対象から外しました。これらのホテルは「フルサービス型」と呼ばれるものでホテル内にレストランや各種施設があり、ホテル施設内で一日過ごす事ができる形態のものです。この2つのホテルは稼働率・宿泊単価がそれ程戻っていないのに株価がかなり戻っています。ですので今後稼働率・宿泊単価が戻っても株価はそれ程上がらないのでは?と思いました。
2.危険な匂いのするリートは外す
大江戸温泉リートは、フルサービス型であるにも関わらず稼働率・宿泊単価がかなり戻ってきており、それなのに株価はかなり低迷しています。
ぱっと見「大江戸温泉リート、おとくじゃん!」と思い購入する気満々で調査しましたが、以下3つの理由で購入を見送りました。
①スポンサーがハゲタカファンドに変わった。
リートにとって、スポンサーが誠実であるかは重要です。スポンサーはよそから仕入れた物件をリートに売却したり、ホテルなどのオペレーター業務を行いますが、これらはリートの利益と相反しやすいです。不誠実なスポンサーであれば、不当な高値で物件をリートに売りつけたり、高額なオペレーター業務料をリートに請求することが可能です。大江戸温泉リートのスポンサーは、これまで誠実な会社が勤めていたので株価も高値にあったのですが、その後ハゲタカファンドに変わった事で株価はかなり下げ未だに低迷しています。
②建物が古い
大江戸温泉リートの平均築年数は40年代です。他の5リートは全て20年代です。不動産投資の経験のある方ならこれでピンとくると思いますが、築古物件は表面利回りが高いです。しかし修繕に多額の費用がかかるようになりますし、更に年数が経つと稼働率がどんどん低下していきます。大江戸温泉の利益率(NOI利回り)が断トツで高いのは、築年数の古さが関係してくると思います。
③レオマの森が爆弾??
大江戸温泉リートの基幹ホテルは「レオマの森」なのですが、これが爆弾なのではと思っています。レオマの森一つで全物件の23%の価値がありますので、レオマの森の稼働状況が大江戸温泉リートに大きな影響を及ぼすと思います。しかしレオマの森は2つの理由で稼働率は上がらないのではと思いました。
1.場所が悪い
⇒レオマの森は香川県の山奥に立地しています。四国は人口減少が激しいですし高齢化も顕著に進んでいますので四国内からの入館者増加はあまり見込めないのではと思います。また香川は観光県と言う訳でも無いので、四国外からの客流入や海外客の宿泊も期待できなさそうです。
2・遊園地を持っている
ホテルに隣接して「レオマワールド」と言う遊園地を持っています。なかなか大規模な施設なので維持費やリニューアルにかなりお金がかかると思いますが、それに比べて入園者は今後どんどん先細ってくると思います。遊園地に定期的に足を運んでもらうにはTDLやUSJのように莫大な費用をかけて定期的にリニューアルが必要と思いますが、四国の山奥にあるこの施設に莫大なリニューアル費用をかけても、入園者はそれ程見込めないと思います。なので恐らくはリニューアル費用をかけずに維持していくと思いますが、そうしたら先細りは確実です。。
では、どのリートを選ぶ?
今回、いちごホテルリート投資法人とインヴィンシブル投資法人に半分づつ投資しました。この2つのリートは「宿泊特化型」と呼ばれ簡単に言うとビジネスホテル主体のホテルです。
このリートを選んだ理由を以下に記載します。
①NAVが安い
NAVが安いので割安物件と言えます。
②コロナ禍のダメージからだいぶ回復している
「稼働率×宿泊単価」で現わしたものをPerRevと言いますが、上記の宿泊特化型はフルサービス型よりも、PerRevのコロナからの回復率が高いです。
③外国人インバウンドの影響を受けやすい
一般的に「ビジネスホテル」は出張時にビジネスマンが使うものと考える方が多く、だったらコロナ後も出張需要が完全に回復しない可能性が高い、と言う理由で宿泊特化型のホテルは割安か株価になっているのではないかと思いました。
しかし実際には、外国人宿泊者が最も宿泊しているのはビジネスホテルです。海外旅行に慣れたからなら知っているかと思いますが、海外の低額ホテルはサービス、品質も悪いです。布団が黄色かったりセキュリティーが悪かったり、設備が古かったり、シャワーの出が悪かったり。。それに比べると日本のビジネスホテルは低額なのに品質、サービスのレベルは非常に高いです。セキュリティーもしっかりしているし、設備も比較的新しいのが多いです。ウォシュレットもだいたいついています。部屋が狭い場合は多いですが、別途は結構いいものを使っている場合が多く、シーツも綺麗です。さらに外国人観光客に好評なのが品揃えも良く味も美味しい朝食サービスのようです。
これについては、youtubeに動画が幾つかありますのでそれで確認できると思います。因みに日本人が編集しているのは「日本はすごい」的な思考で編集されているケースもあるので、外人が英語で外人向けに説明しているビジネスホテルの動画を見た方が納得感があると思います。
前回の記事と併せて、自分がリートを変更した理由を記載してみました。
ただ皆さん重々承知と思いますが、私は単なる素人投資家であり上記記載に一切の責任を持ちません。投資は、自己責任でお願いします。